断熱材ってどれがいいの?違いや選び方ってあるの?
なんとなく聞いたことがあっても、断熱材について詳しくはわからない方が多いのではないでしょうか。
実は、断熱材は快適な暮らしに欠かせないものなんです。
本記事では、以下の内容で断熱材についてご説明します。
- 断熱材の役割
- 断熱材の選び方
- 断熱材を種類別に比較
- 断熱材選びの注意点
具体的には、本記事では素材別に10種類の断熱材を5つの項目に分けて比較しました。
分類 | 繊維・鉱物系 | 繊維・鉱物系 | 天然繊維系 | 自然・天然素材系 | 自然・天然素材系 | 発泡プラスチック石油系 | 発泡プラスチック石油系 | 発泡プラスチック石油系 | 発泡プラスチック石油系 | 発泡プラスチック石油系 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
断熱材の種類 | ロックウール | グラスウール | セルローズファイバー | ウールブレス (羊毛) | 炭化コルク | 硬質ウレタンフォーム | フェノールフォーム | ビーズ法 ポリスチレンフォーム EPS | 押し出し法 ポリエスチレン フォーム XPS | ポリエステル |
熱伝導率 (W/m・K) | 0.035~0.047 | 0.033~0.050 | 0.038~0.040 | 0.039~0.049 | 0.037~0.045 | 0.023~0.040 | 0.019~0,036 | 0.024~0.043 | 0.024~0.043 | 0.035~0.045 |
耐湿性 | 湿気に弱い | 湿気に弱い | 湿気に強い (調湿) | 湿気に強い (調湿) | 湿気に強い (調湿) | 湿気に強い (透湿) | 湿気に強い | 湿気に強い | 湿気に強い | 湿気に強い |
不燃性 | 燃えにくい | 燃えにくい | 燃えにくい | 燃えにくい | 燃えにくい | 燃えやすい | 非常に燃えにくい | 燃えやすい | 燃えやすい | 燃えにくい |
防音性 | 高い | 高い | とても高い | 高い | 高い | 高い | 無し | 無し | 無し | 高い |
コスト面 | 安い | 安い | とても高価 | 高価 | 高価 | 高価 | とても高価 | 比較的安価 | 比較的安価 | 高価 |
その他 | グラスウールと特徴が似ている | 日本で最も選ばれている | 隙間なく施工できる | 高い断熱性 防虫効果 | 防虫効果 | 隙間なく施工できる | 耐久性高く 最高ランクの 断熱性 | 軽量で 加工しやすい | 軽量で 加工しやすい | リサイクル性が高い |
断熱材にはたくさんの種類があり、それぞれに特徴があります。家で過ごす快適さは断熱材選びにかかっている、といっても過言ではありません。
この記事を最後までお読みいただくと、あなたにピッタリの断熱材が見つかります。ぜひチェックして快適なマイホーム生活を手に入れてくださいね。
本記事は以下の内容を参考にしています。
断熱材の役割
断熱材は、寒さや暑さから家を守り快適な空間にするものです。
具体的には以下の役割があります。
- 外気の影響を防ぐ
- 家の中から暖かい空気が逃げるのを防ぐ
- 足元からの冷えを防ぐ
断熱材により家の温度が調整されることで、下記のメリットが生まれます。
- 家の中の結露を防ぐ
- 家が長持ちする
- エアコンの効率がアップする
快適なマイホームに欠かせない存在、それが断熱材です。
断熱材の選び方
ここからは、断熱材の選び方を特徴別にご紹介します。
自分の家にどういった断熱材が合うか、想像しながらご覧ください。
熱伝導率で選ぶ
断熱材は断熱性が高い(=熱伝導率が低い)ものを選びましょう。
熱伝導率は値が低いものほど断熱性が高く、暖かい室内で快適に過ごせるからです。
ただし、熱伝導率が低ければその分コストがかかります。
建築会社の担当者に予算とコストのバランスを相談するのが良いでしょう。
熱伝導率とは、物質の熱の伝わりやすさを表す単位 W/(m・K) のことをいいます。
値が低い(=熱が伝わりにくい)ものは断熱性が高く、基準は0.1W以下です。
ただし、数字だけでなく断熱材の厚さによっても断熱性が変わります。
耐湿性で選ぶ
断熱材は湿気に強いものを選ぶことが重要です。
湿気に弱い断熱材の場合、水を含むと断熱効果が極端に低くなるだけでなく、 カビや腐敗の原因になってしまうからです。
ただし、湿気に強い断熱材はコストがかかります。
コストを抑えたい場合は、防湿アイテムを利用すると良いでしょう。
例えば、安いけど湿気に弱い断熱材に防湿フィルムを張ってもらい湿気対策を行うこともできます。
予算とコストのバランスを考えて、断熱材選びと湿気対策をしてみてくださいね。
不燃性で選ぶ
断熱材は燃えにくい素材を選択することが大切です。
火災時の安全性は素材によって大きく変わるからです。
断熱材には不燃性のものと可燃性のものがあり、燃えやすさの比較は以下のイメージになります。
思わぬ災害に備えるためにも、不燃性のものをおすすめします。
防音性で選ぶ
以下のような希望があれば、防音性の高い断熱材を選ぶのがおすすめです。
- 子どもが賑やかでもご近所迷惑にならない家がいい
- 近くに電車が通るから外からの音を極力減らしたい
ただし、防音効果は断熱材だけでなく施工方法で高めることも可能です。
施工会社と相談してみるといいでしょう。
コスト面で選ぶ
できるだけコストを抑えたい場合は、施工しやすい断熱材を使用しましょう。
施工にかかるコストが抑えられるからです。
例えば以下のような断熱材が施工しやすいものになります。
- 一般的に広く普及しているもの
- 施工会社の取り扱いのあるもの
こういった断熱材を選ぶことでコストは抑えることができます。
主な断熱材一覧比較
断熱材は素材によって大きく4つの種類に分けられます。
- 繊維、鉄鋼系
- 天然繊維系
- 自然、天然素材系
- 発泡プラスチック、石油系
簡単にそれぞれの特徴をお伝えしていきます。
繊維、鉄鋼系
ガラスや岩などを溶解し、繊維状に加工したものです。
細かい繊維が絡み合い、その中で空気を閉じ込め断熱します。
ロックウール
玄武岩などを溶かして繊維状に加工した断熱材で、以下のような特徴があります。
- 価格が安い
- 燃えにくい
- 湿気に弱い
グラスウール
主にリサイクルガラスを細かくして繊維状に加工したもので、日本で最も普及している断熱材です。
以下のような特徴があります。
- 価格が安い
- 燃えにくい
- 湿気に弱い
天然繊維系
セルロースファイバー
主に回収した新聞紙を主原料にした断熱材です。
環境にも優しいということで近年人気があり、以下のような特徴があります。
- 燃えにくい
- 防虫効果
- 防音効果
- 湿気に強い
- 断熱材を施工するときに隙間ができにくい
- 価格が高い
自然、天然素材系
自然生まれの素材を利用した断熱材です。
主流ではないものの、環境にやさしいということで注目を浴びています。
炭化コルク
ワインの栓などの製造で出たコルクを利用し炭化させた断熱材で、以下のような特徴があります。
- 断熱性
- 湿気に強い
- 吸音性
- 防虫効果
- 価格が高い
ウールブレス(羊毛)
羊毛を原料としている断熱材で、主な特徴は以下のとおりです。
- 防虫効果
- 湿気に強い
- 高い断熱効果
- 耐久性あり
- 価格が高い
発泡プラスチック、石油系
プラスチックが原料の断熱材で、プラスチック素材の中に無数の気泡を作り断熱します。
(発泡スチロールのようなイメージです。)
硬質ウレタンフォーム
ポリウレタン樹脂に発泡剤を加えた断熱材で、以下のような特徴があります。
- 断熱性に優れている
- 燃えたときに有毒ガスが出る恐れがある
- 価格が高い
フェノールホーム
フェノール樹脂に発泡剤や硬化剤を加えた断熱材で、以下のような特徴があります。
- 非常に燃えにくい
- 高い断熱効果が長く維持される
- 価格がかなり高い
ビーズ法ポリエスチレンフォーム(EPS)
ビーズ状にしたポリエスチレン樹脂を発泡させた断熱材で、発泡スチロールと同じ素材です。
以下のような特徴があります。
- 軽量で加工しやすい
- 湿気に強い
- 価格が安い
- 熱に弱い
押し出し法ポリエスチレンフォーム(XPS)
ビーズ法ポリエスチレンフォームをさらに薄く固い板状にした断熱材で、ビーズ法より高い断熱性があります。
主な特徴は以下のとおりです。
- 軽量で加工しやすい
- 湿気に強い
- 熱に弱い
ポリエステル
衣類などにも使われているポリエステルから作られた断熱材で、以下のような特徴があります。
- 湿気に強い
- 軽い
- あまり普及しておらず高価
10種類の断熱材の比較表
ここまで紹介した断熱材の比較したものが以下の表です。
分類 | 繊維・鉱物系 | 繊維・鉱物系 | 天然繊維系 | 自然・天然素材系 | 自然・天然素材系 | 発泡プラスチック石油系 | 発泡プラスチック石油系 | 発泡プラスチック石油系 | 発泡プラスチック石油系 | 発泡プラスチック石油系 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
断熱材の種類 | ロックウール | グラスウール | セルローズファイバー | ウールブレス (羊毛) | 炭化コルク | 硬質ウレタンフォーム | フェノールフォーム | ビーズ法 ポリスチレンフォーム EPS | 押し出し法 ポリエスチレン フォーム XPS | ポリエステル |
熱伝導率 (W/m・K) | 0.035~0.047 | 0.033~0.050 | 0.038~0.040 | 0.039~0.049 | 0.037~0.045 | 0.023~0.040 | 0.019~0,036 | 0.024~0.043 | 0.024~0.043 | 0.035~0.045 |
耐湿性 | 湿気に弱い | 湿気に弱い | 湿気に強い (調湿) | 湿気に強い (調湿) | 湿気に強い (調湿) | 湿気に強い (透湿) | 湿気に強い | 湿気に強い | 湿気に強い | 湿気に強い |
不燃性 | 燃えにくい | 燃えにくい | 燃えにくい | 燃えにくい | 燃えにくい | 燃えやすい | 非常に燃えにくい | 燃えやすい | 燃えやすい | 燃えにくい |
防音性 | 高い | 高い | とても高い | 高い | 高い | 高い | 無し | 無し | 無し | 高い |
コスト面 | 安い | 安い | とても高価 | 高価 | 高価 | 高価 | とても高価 | 比較的安価 | 比較的安価 | 高価 |
その他 | グラスウールと特徴が似ている | 日本で最も選ばれている | 隙間なく施工できる | 高い断熱性 防虫効果 | 防虫効果 | 隙間なく施工できる | 耐久性高く 最高ランクの 断熱性 | 軽量で 加工しやすい | 軽量で 加工しやすい | リサイクル性が高い |
その他断熱材選びの注意点
施工しやすい断熱材か
断熱材を施工する上で、施工しやすい素材かどうかはとても大切です。
きちんと断熱材を施工しないと、断熱効果に直接影響がでてしまいます。
以下をご覧ください。
最も選ばれているグラスウールという断熱材は、施工によって隙間ができてしまったり、逆に詰め込みすぎても断熱性能が低下してしまいます。
一方で、セルロースファイバーという断熱材は、壁の中に 直接振りかけて施工するため、隙間ができにくく安定して断熱されます。
出典 セルロースファイバーナビ
このように、断熱材によって施工方法が大きく違います。
施工の出来によって断熱性能が変わってしまうことから、以下のようなポイントを押さえておきましょう。
- 施工しやすい断熱材を使用する
- 経験値の高い施工業者に依頼する
まとめ:自分の好みに合った断熱材を選ぼう!
今回は断熱材についてご紹介しました。
断熱材を選ぶポイントは以下のとおりです。
- 熱伝導率で選ぶ
- 耐湿性で選ぶ
- 不燃性で選ぶ
- 防音性で選ぶ
- コスト面で選ぶ
また、断熱材には大きく分けて4つの素材があることをお伝えしました。
- 繊維、鉄鋼系
- 天然繊維系
- 天然素材
- 発泡プラスチック、石油系
断熱材は種類によって様々な特徴があります。
1つの特徴だけにとらわれず、総合的に断熱材選びをしてみてくださいね!
そうすれば、きっと自分の納得する断熱材を選ぶことができるはずです。
この記事が断熱材選びの参考になると嬉しいです。
最後まで読んでいただきありがとうございました。