家を建てようと考え始めると、費用やその内訳が気になりますよね?
筆者も気になり調べてみましたので、本記事で紹介させていただきます。
結論からお伝えすると、家を建てる平均費用は下記のとおりです。
- 土地ありの場合3,203万円
- 土地なしの場合4,397万円
この記事では以下の内容で、家を建てる費用について深堀していきます。
- 家を建てる費用の平均
- 各項目ごとの費用詳細
- 費用を抑えるための6つの減額ポイント
この記事を読めば、家を建てるのに必要な費用項目が明確になり、ざっくりとした予算がイメージできるようになります。
後半では、費用を抑えるためのポイントも紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
必要な費用項目の把握が、等身大のマイホームへの第一歩です。
後悔しないために、一緒に学んでいきましょう。
家を建てる費用は3,000万円以上!土地あり・土地なしの違いも比較
家を建てる費用は人によって違いますが、『土地あり』と『土地なし』の2パターンで平均費用を紹介します。
3年分の平均をだしてみると、土地ありの平均3,203万円、土地なしの平均4,397万円です。
土地の有無 | 平成30年度 | 令和元年度 | 令和2年度 | 3年間平均 |
---|---|---|---|---|
土地あり | 3,205万円 | 3,235万円 | 3,168万円 | 3,203万円 |
土地なし | 3,971万円 | 4,615万円 | 4,606万円 | 4,397万円 |
差額 | 766万円 | 1,380万円 | 1,438万円 | 1,195万円 |
参考資料:国土交通省 住宅市場動向調査
また、土地有無での差額(単純に考えると土地代)は平均で1,195万円になります。
あくまでも平均なので、参考程度に考えてください。
家を建てる費用は3つ!土地や建物以外にも費用はかかる
家を建てるのに必要な費用は、大きくわけて以下の3つです。
- 土地に関わる費用
- 建物に関わる費用
- その他費用
それぞれ、詳しくみていきます。
土地に関わる費用
土地を購入するといっても、土地そのもの以外に色々と費用がかかります。
関係する費用を、以下にまとめました。
費用項目 | 内容 |
---|---|
土地代 | 土地そのものの代金 |
仲介手数料 | 不動産会社への手数料 |
手付金 | 売買契約を結んだときに支払う代金 |
印紙代 | 契約書にかかる印紙税 |
登記費用 | 登録免許税と司法書士への報酬 |
ローン手数料 | 住宅ローンを利用する場合は、手数料や建物の完成までの利息など |
測量費 | 土地の売主が負担することも多い |
農地転用費 | 登記簿の地目が『農地』の場合に『宅地』へ変更する費用 |
土地そのものに消費税は発生しませんが、手数料や司法書士の報酬には消費税が発生します。
仲介手数料
不動産会社を介して土地を購入する場合、仲介手数料が発生します。
仲介手数料(上限)の計算方法は、以下のような計算ルールが国土交通省で決まっており少し複雑です。
土地価格200万円以下の部分 | 土地価格の5% |
土地価格200万円を超え400万円以下の部分 | 土地価格の4% |
土地価格400万円を超える部分 | 土地価格の3% |
400万円を超える場合は、一般的に速算式『売買価格×3%+6万円に消費税』で計算されます。
だいたいの目安として、以下にまとめてみました。
土地価格 | 仲介手数料の上限(税抜) |
---|---|
200万円 | 10万円 |
500万円 | 21万円 |
1,000万円 | 36万円 |
1,500万円 | 51万円 |
2,000万円 | 66万円 |
2,500万円 | 81万円 |
3,000万円 | 96万円 |
不動産会社が所有する土地を直接購入する場合、仲介手数料はかかりません。
手付金
『手付金』という言葉は聞いたことあるけど、詳しくはわからない方も多いのではないでしょうか?
手付金と同じくよく耳にする『申込金(申込証拠金)』との比較で解説したいと思います。
比較項目 | 手付金 | 申込金(申込証拠金) |
---|---|---|
性質 | ・契約の証や契約解除などが目的 ・購入代金の一部にはならない (※ただし、実務の便宜上売買代金の一部となることが多い) ・法的効力がある | ・購入の意思を確認する目的 ・購入代金の一部にはならない ・法的効力はない |
支払うタイミング | 売買契約締結時 | 契約前 |
相場 | 購入代金の5~10% (宅建業法により上限20%と定めあり) | 1~10万円程度 (法的上限はない) |
解約・キャンセル時 | ・買主の事情で解約したとき →手付金は戻ってこない ・売主の事情で解約したとき →手付金の額が2倍になって返金 ・住宅ローン本審査に落ちたとき →全額返金 | ・申し込みをキャンセルしたとき →全額返金 |
手付金は現金での支払いになるので、契約前にいくら程なのか確認しておきましょう。
「申込金として支払ったはずなのに、キャンセルしても返金されなかった」などのトラブルも、よく耳にします。
『なんのために支払うのか』をよく確認しましょう。
また、申込金の場合、キャンセル時は全額返金される旨を書面で残すのが重要です。
印紙代
印紙代は、売買契約時にかかる費用(税金)です。土地代金 (契約金額)によって印紙代は異なります。
契約金額 | 本則税率 | 軽減税率 |
---|---|---|
100万円を超え 500万円以下のもの | 2,000円 | 1,000円 |
500万円を超え1千万円以下のもの | 10,000円 | 5,000円 |
1千万円を超え5千万円以下のもの | 20,000円 | 10,000円 |
5千万円を超え 1億円以下のもの | 60,000円 | 30,000円 |
平成26年4月1日から令和4年3月31日までの間に作成される契約書については、軽減税率が適用されます。
登記費用
登記費用とは、登記簿に記載された所有者を変更するためにかかる費用です。
登記費用は、主に以下の2つです。
- 登録免許税:所有権移転の手続き時、国に収める手数料。
(登記申請時に収入印紙で納付) - 司法書士の報酬:依頼する場合
(6~8万円ほど)
登録免許税の税額は、固定資産税評価額に一定の税率をかけて計算します。
基本税率は2%ですが、R5.3.31までは軽減税率1.5%が適用されます。( 国税庁HPより)
ローン手数料
住宅ローンを使用する場合、様々な費用がかかります。
- ローン手数料(金融機関へ支払い)
- 保証料(保証会社へ支払い)
- 印紙代
- つなぎ融資時の利息など
測量費
売却予定の不動産は必ず、『ここからここまでが自分の土地である』と明らかにしなければなりません。
そのため、測量が必要になってくるわけですが、もちろん費用がかかります。
売主と買主どちらが負担するという決まりはありませんが、一般的に売主負担になることが多いようです。
契約前に、測量は済んでいるかも確認しましょう。
農地転用費
購入予定の土地の地目が『農地』だった場合、『宅地』へ変更しなければいけません。
変更するには、農地法に基づく許可、または届出が必要です。
この手続きについては、行政書士に依頼します。費用は4万円~15万円で、許可申請の場合は届出の倍以上の費用となることが多いようです。
変更方法 | 費用の目安 |
---|---|
農地法に基づく届出 | 約4~7万円 |
農地法に基づく許可申請 | 約8~15万円 |
あらかじめ行政書士に相談して、どのくらい費用がかかるのか把握しておくと安心です。
建物に関わる費用
建物に関わる費用の内訳は、およそ以下の通りです。
- 本体工事費:70%
- 付帯工事費:20%
- 諸費用:10%
どの工事内容をどこに含めるかは、特に決まりがありません。
そのため、建築会社によって『本体工事・付帯工事・別途工事』など呼び名・分け方が異なります。
多くの工事内容を『別途工事』と扱うことで、『本体工事』の工事内容を減らし割安に見せようとする見積もりがあります。
見積もりに含まれている工事内容を、しっかり確認しましょう。
本体工事費
その名のとおり建物そのものを造る際にかかる費用です。建物に関わる工事費の約70%を占めます。
本体工事の内容を、以下にまとめました。
工事の種類 | 工事内容 |
---|---|
基礎工事 | 地面掘削・地ならし・掘削など |
躯体工事 | 建物の骨組みとなる躯体をつくる工事 |
外装工事 | 屋根・防水・左官・塗装など |
建具工事 | 玄関ドア・窓サッシ・障子・ふすまなど |
内装工事 | 壁紙・フローリング・畳・造り付けの家具など |
設備工事 | 電気・空調・水回りの工事 |
雑工事 | 上記に分類されない手すり・カーテン・ブラインド取り付けなど |
付帯工事
付帯工事とは、建物以外にかかる工事のことです。建物に関わる工事費の約20%を占めます。
以下のInstagramで、どのような工事が付帯工事なのか把握できます。ぜひ参考にしてください。
工事の種類 | 内容 |
---|---|
解体工事 | ・既存建物がある場合の解体工事 ・植栽の伐採、庭石の撤去費用なども想定しておく |
地盤改良工事 | ・地盤の強度を増すための工事 ・費用は50万円~300万円以上と工法により異なる |
外構工事 | ・外構部分全般の工事 ・塀、フェンスの設置工事や敷地内の舗装など |
他にも、以下のような工事が付帯工事に含まれます。
- 造成工事
- 仮設工事
- 電気・ガス・水道の引き込み工事
「外構を具体的にどうするか決めておらず、思わぬ出費になった」という声もよくききます。
外構も具体的な内容で見積もりを取り、予算を組んでおきましょう。
諸費用
建物の工事以外でかかる経費です。建物に関わる工事費の約10%を占めます。
諸経費の主な項目は、以下のとおりです。
費用項目 | 内容 |
---|---|
設計監理料 | 建物の設計や、工事監理をおこなうための費用 |
確認申請手数料 | 建物工事に必須となる手数料 |
地質(地盤)調査費 | 地盤状況を正確に把握するための調査にかかる費用 |
火災・地震保険費用 | 火災・地震保険の掛け金 |
気になる項目の『+』をクリックすると詳細が表示されます。
その他費用
ここまででも、多くの費用項目がありましたが、もう少し想定しておかないといけません。
その他費用として主な費用は、以下の4つです。
- 仮住まい費用
- 引っ越し費用
- 式祭典費用
- 新調するものの費用
仮住まい費用
今住んでいる家を建て替える際は、必要な費用です。
新しい家が建つまで、早くても3ヶ月~4ヶ月ほどかかります。想定よりも長期間になることもあるので、余裕をみて予算を組みましょう。
引っ越し費用
引っ越し費用は、以下のような条件によって大きく変わります。
- 距離
- 規模
- 引っ越し業者など
複数の業者から、見積もりをとることをおすすめします。
式祭典費用
新築工事に関連する式典の費用です。式典は、主に以下の2つです。
- 地鎮祭
- 上棟式
近年は、簡略化しておこなうことも多いようです。
新調するものの費用
- 収納グッズ
- 掃除グッズ
- インテリア
- 家電など
「せっかく新築なんだから、アレもコレも」となっては、いくらお金があっても足りません。
入居後にもお金はかかります。以下のInstagramでも解説しているので、参考にしてください。
いろいろ欲しくなるのはわかりますが、入居後の出費も頭に入れておきましょう。
家を建てる費用を抑えるための減額ポイント6つ
「もう少し減額したいけど、削れるところがない」と数字とにらめっこする方も多いと思います。
この章では、Instagramフォロワーさん4万人に聞いた減額ポイントをご紹介します。
特に回答の多かった事例をまとめました!
ぜひ参考にしてください。
- ベランダ・バルコニー・勝手口
- 材質の変更
- 窓・扉の変更
- 床面積を小さくする
- 施主支給・DIY
- できるだけ標準仕様
ベランダ・バルコニー・勝手口
- 勝手口無しにして、下屋割増をできるだけ少なく
- バルコニーの奥行は、補強不要な範囲で
『範囲を狭くする』や『思い切って無しにする』など再度検討してみましょう。
物干しや、各部屋に必要なスペースを考えてみましょう。
材質の変更
- 建具材のグレードを上げない
- 収納など人目につかないところの床は安いものに
同質・同機能を持つ材料に変更することで減額になることもあります。
グレードを下げても、希望と合うものがあるかもしれません。
下のグレードも検討してみましょう。
窓・扉の変更
- 浴室の窓を無しに
- 人目につかない収納の扉を無しに
窓無し浴室にすることで窓掃除をしなくてよくなったり、扉無し収納にすることで使いやすくなったりします。
自分の場合は必要か、再度検討してみましょう。
窓は、サイズダウンすることでも減額になることがあります。
冷暖房の効率もよくなりますよ。
床面積を小さくする
- 1部屋なくして坪数を減らした
- 後々のメンテも考えて坪数を減らした
床面積を小さくすることで、面積分の材料費や施工費が削減できます。
2階建てを検討している人は、総2階にすることで、構造部と屋根材が最小限で済みます。
床面積を小さくすることで、家事動線が短くなり掃除がラクになるメリットもあります。
施主支給・DIY
- 自分でできるところは自分で
- カップボードは施主支給で
施主支給とは、施主が商品を購入して現場へ搬入し、取り付けだけを業者に依頼することです。
施主支給は、断られる場合もあるので必ず確認しましょう。
断られにくいものを、以下にまとめました。
- 照明
- カーテン
- 鏡
- トイレットペーパーホルダー
- タオルリングなど
外構でも施主支給できないか、確認してみましょう。
できるだけ標準仕様
- 設備はなるべく標準で
- 理想=標準仕様のハウスメーカーを選ぶ
人によっては、過剰と思える機能もあるかもしれません。
省けるものがあれば、その分こだわりたいものに予算を使いたいですね。
標準仕様については、【比較表ダウンロード可能】ハウスメーカー・工務店選びでチェックするべき超重要ポイント!|標準仕様比較表の記事で詳しく解説しています。
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各費用を知って返済負担の少ない資金計画を作ろう!
上の章では、家を建てる費用について詳しく解説しました。想像よりも様々な項目があったのではないでしょうか?
予算は『自己資金+無理なく返済していける借入金額』です。
本当に払っていけるのか、しっかりと資金計画をたてましょう。
資金計画はローン返済以外に必要なお金も考える
「出費が重なり、住宅ローンが払えない……」こういう状況になってしまっては大変です。
家を建てる費用ばかり考えがちですが、その他に考えておくべき費用もおさえておきましょう。具体的な例を、以下にまとめました。
- 建築後にかかる税金
- 家の修繕・メンテナンス費用
- 子供の教育費
- 親の介護費用など
家を建ててからも必要な費用はあります。
身の丈に合った資金計画を立てる
『住宅ローン年間返済比率』というものをご存じでしょうか?
年間返済額÷年収×100
上の式で計算できます。
選ぶ銀行・住宅ローンによって変わってきますが、この『住宅ローン年間返済比率』は、おおむね30~35%といわれています。
30~35%とは、どのような返済イメージでしょうか?返済例を、以下のように計算してみました。
年間返済額:600万円×0.35=210万円
210万円÷12ヶ月=17.5万円/月
思ったより多いのではないでしょうか?
出費が重なった場合、払えなくなるリスクが大きいと思いませんか?
おすすめの返済比率は20%以下です。
将来、住宅ローン返済で困ることがないように、身の丈に合った資金計画は重要です。
不安な場合は、専門家へ相談しましょう。
資金計画については、重要!家づくりの始まりは資金計画からの記事で詳しく解説しています。ぜひチェックしてみてください。
まとめ:家を建てるには建物以外の費用も必要!各費用を把握し身の丈に合った資金計画を立てよう
本記事では、主に家を建てる費用について解説しました。建物だけの費用ではなく、多くの項目があります。
家を建てる費用の内訳は、以下の3つに分けられます。
- 土地に関わる費用
- 建物に関わる費用
- その他費用
本記事では、多くの項目を解説したので、それぞれの具体的な費用項目を整理します。
土地にかかわる費用項目は以下の通りです。
費用項目 | 内容 |
---|---|
土地代 | 土地そのものの代金 |
仲介手数料 | 不動産会社への手数料 |
手付金 | 売買契約を結んだときに支払う代金 |
印紙代 | 契約書にかかる印紙税 |
登記費用 | 登録免許税と司法書士への報酬 |
ローン手数料 | 住宅ローンを利用する場合は、手数料や建物の完成までの利息など |
測量費 | 土地の売主が負担することも多い |
農地転用費 | 登記簿の地目が「農地」の場合に「宅地」へ変更する費用 |
次に、建物に関わる費用です。建物に関わる費用は、主に3つに分かれています。
本体工事費の詳細は以下の通りです。
工事の種類 | 工事内容 |
---|---|
基礎工事 | ・地面掘削・地ならし・掘削など ・基礎をつくるための工事 |
躯体工事 | 建物の骨組みとなる躯体をつくる工事 |
外装工事 | 屋根・防水・左官・塗装など |
建具工事 | 玄関ドア・窓サッシ・障子・ふすまなど |
内装工事 | 壁紙・フローリング・畳・造り付けの家具など |
設備工事 | 電気・空調・水回りの工事 |
雑工事 | 上記に分類されない手すり・カーテン・ブラインド取り付けなど |
付帯工事費には、主に以下のような工事があります。
工事の種類 | 内容 |
---|---|
解体工事 | ・既存建物がある場合の解体工事 ・植栽の伐採、庭石の撤去費用なども想定しておく |
地盤改良工事 | ・地盤の強度を増すための工事 ・費用は50万円~300万円以上と工法により異なる |
外構工事 | ・外構部分全般の工事 ・塀、フェンスの設置工事や敷地内の舗装など |
そして、諸費用の詳細は以下の通りです。
費用項目 | 内容 |
---|---|
設計監理料 | 建物の設計や、工事監理をおこなうための費用 |
確認申請手数料 | 建物工事に必須となる手数料 |
地質(地盤)調査費 | 地盤状況を正確に把握するための調査にかかる費用 |
火災・地震保険費用 | 火災・地震保険の掛け金 |
最後に、その他費用はこのようなものがあります。
- 仮住まい費用
- 引っ越し費用
- 式祭典費用
- 新調するものの費用
各費用項目を把握して、無理なく返済できる身の丈に合った資金計画をしましょう。
年間返済額を、年収の20%ほどに抑える計画がおすすめです。
費用の把握と資金計画をしっかりして、後悔のない家づくりをしましょう!
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